なぜ今、宝石鑑定査定士を育成するのか
全国宝石学協会で20年間以上、ダイヤモンド・カラーストーンを鑑別し、リサイクル業界に特化した業界初の鑑別機関である宝石総合科学研究所を運営する藤森祥平氏。彼は今、中立公正な第三者機関として更なる高みを目指すため、宝石鑑定査定士の育成に取り組むことを決意した。藤森氏が追い求める姿とは?
改めて気付いた、現場の査定力の重要性。
今年で鑑定士26年目なんですけど、この世界に入ってからは、後任となる人材を育成するという機会がなかったんです。だけど、やっぱり26年前の業界とは全然違うなというのは感じていて、このままではまずいなと。年々、悪意のある模造石の買取・査定依頼が増加していますし。それで、宝石システムでサポートを始めたんです。それからは、少なくとも自分のまわりでは贋物の買取被害を喰いとめることができて、買取店の危機意識も芽生え、結果もついてきた。改めて、現場レベルの査定能力トレーニングは欠かせないなと実感しました。それで、宝石システムをもっともtっとしっかりと形にしたいと思って、宝石鑑定査定士の資格認定の仕組みを考えました。
求めるのは、バランスと経験。
トレーニングのポイントとしては、バランス良く育成したいというのがあります。ダイヤモンド、ルビー、エメラルド、サファイア、その他のカラーストーンとありますけど、現場の買取スタッフにとっては、そのバランスが一番重要かなと思っています。どれかが欠けても偏りすぎてても、昨今の持ち込み状況では危機管理ができているとは思えないので。
それから、経験ですね。私も40万個以上の鑑別実績を重ねる中で、経験不足から悔しい思いをしたこともあったので。知らないことを学んでいって、もっと細かく、正確に判断できるよう、頭のキレを伸ばしていってほしいです。
そういった意味で、あまり得意な石を作りすぎないというのも大切ですね。ダイヤモンド買取専門店=勝ち組って時代でもないかなと思いますし。ダイヤモンドを強化したいだけだったら、とことんダイヤモンドの買取だけ相手にしていればいいんですが、それだと買取店としてフットワークが重くなって、店舗運営が危うくなる。ダイヤモンド、カラーストーン、半貴石、三拍子すべて揃った現場力が求められる時代なので、効率よく買取ができるためのトレーニングを意識していきたいです。
着実に現場で活きる資格に近づいている実感。
宝石鑑定査定士 育成講座は、講義を受けて終わりというのではなく、しっかりと認定試験まであるというのが、これまでの宝石勉強会との大きな違いです。しかも、筆記だけでなく、ちゃんと実技もね。現場の買取スタッフとして、あるいは責任者として、宝石を査定する人材としてこうあってほしいという課題にあわせて、学ばないといけない部分や、そのためになにをすべきか、これまでの経験をもう一度振り返って、1つひとつ組み上げていきました。高い危機管理能力を育むことはもちろん、お客様にこれ以上ない安心感も与えられる宝石鑑定査定士の認定に向かって、多くの買取店スタッフや責任者の方々に努力してほしいと感じています。
宝石総合科学研究所の宝石鑑定査定制度とは
宝石総合科学研究所は中立公正な第三者機関として、
適正な宝石鑑定査定制度の普及定着に努め、
皆様が堅実な宝石買取ができるためのお手伝いをお約束いたします。
宝石鑑定査定士とは
中古宝飾品の買取・販売は、各会社・店舗によって独自に設けられた基準に沿って決められており、その差額が大きく異なるケースも見られます。 また、近年では偽物や合成石、類似石も巧妙かつ高度な手口が使われ、適正かつ正確に査定することが難しくなっています。買取店やリサイクルショップの担当者は「鑑定士」や「査定士」など呼ばれることがありますが、中古宝飾品の市場価値まで見極める資格は存在しませんでした。 宝石の知識を身に付ける「宝石鑑定士」は、宝石の知識に関する資格であり、中古宝飾品の市場価値を見極めることはできません。 そこで、宝石総合科学研究所は中古宝飾品の適正な商品価値、市場価値を判定でき、更にはダイヤモンドやカラーストーンの真贋(偽物や合成石、類似石)も見極めができる専門家の育成、認定を第一目的として資格認定試験を実施いたします。